入院生活

凪の音ホスピタルでの入院生活のご案内をしております。入院中は、カウンセリングや作業療法などの様々な治療方法や、やさしい味わいの食事などを通して、患者様おひとりお一人の心と日常にそっと寄り添います。

お話をきくサポート (カウンセリング)

つらさや悩みを抱えているとき、カウンセラーとの対話を通して、ご自身の気持ちや考えを整理したり、考え方の癖に気づいたり、新たな視点を得るサポートを受けることができます。

気持ちの状態を調べる (心理検査)


知能や発達の傾向、認知機能の評価、病気の重症度の判定、性格傾向を知るため、心理検査を行います。病気の診断だけでなく、客観的な見方で自分自身を深く知るためにも活用されます。

日中の活動 (作業療法)

作業療法について

作業療法は「リハビリテーションの一つ」です。
リハビリは、単に身体を治すという意味ではなく、
「その人に適した生活が送れるようになる」ことを目指すものです。

リハビリの手段として、当院では「作業」を用います。
「作業」と聞くと、手作業や仕事を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、

作業療法で扱う作業とは、
・日常の身の回りのこと
・家事など生活を維持するための行為
・仕事
・趣味などの余暇活動
・地域での活動
など多岐にわたります。
人の生活は、こうした「作業」の積み重ねで成り立っていると考え、「人/作業/環境」のつながりを意識しながら治療に取り組んでいます。

 

当院の作業療法の方針として

当院の作業療法では、患者様が「これまで大切にされてきたこと」「今していること」「求めること」を基に、患者様おひとりお一人の「作業」に寄り添いながら、喜びや生きがいを感じられる日々へとつながる支援を行っています。

具体的な作業活動

創作活動/スポーツ・運動/読書/音楽鑑賞/カラオケ/書道/日常生活訓練/
心理社会プログラム(病気・自分・地域資源など生活に必要な様々な事を学び、体験する)/地域の施設見学/外出・外食体験/季節の行事 など

ここに表記させていただいたもの以外にも、作業療法を利用される患者様と相談しながら、
可能な限り、その方に必要な「作業」を探して提供できるように努めています。

食事のこと (食事療法)

当院には栄養管理室があります。
栄養管理室では、患者様の状態に合わせた食事提供や栄養指導を行い、精神疾患の治療や合併症予防をサポートします。

入院中の食事は、治療の一環であると同時に、日々の楽しみの一つでもあります。
当院では、患者様に喜んでいただけることを大切に、体調管理の一助となる、安全で美味しいお食事の提供を心がけております。
糖尿病、脂質異常症、高血圧などの疾患に対する治療食はもちろん、精神症状や高齢により咀嚼・嚥下が難しい方にも、食事の時間を楽しんでいただけるよう、さまざまな食形態をご用意しています。

お薬の使い方や注意点 (服薬指導)

当院では、患者様おひとりお一人に寄り添い、薬剤師を中心に安全で質の高いお薬の治療が行えるようサポートしています。 服薬指導では、病室まで薬剤師がお伺いしわかりやすく丁寧にご説明します。「この薬、いつ飲めばいい?」「他の薬と一緒に飲んでも大丈夫?」など、小さなことでもお気軽にご相談ください。薬剤に関する不安や疑問を解消し、安心して治療にのぞめるようお手伝いいたします。

食事のバランスや体調の相談 (栄養指導)

医師の指示のもと、入院中や外来での栄養指導を行っています。
生活習慣・食習慣・嗜好・体調などを考慮しながら、患者様おひとりお一人に合わせた食事の説明やアドバイスを心がけています。

元気を保つ工夫を学ぶ (WRAP)

当院では、自分らしく元気に過ごすためのヒントを見つけていくために、「自分自身の取り扱い説明書」を作成する、WRAP(ラップ)というリカバリープログラムを導入しています。
日本では、「Wellness(元気)」「Recovery(回復)」「Action(行動)」「Plan(計画)」の頭文字を取ってWRAPと呼ばれており、精神的な困難を経験された方々の知恵から生まれました。このプログラムでは、日々の生活の中で、自分をケアすることの大切さに気づき、自分を労ることで「元気」を保つ工夫を学ぶお手伝いをします。

人との関わり方の練習 (SST)

当院では、SST(社会生活スキルトレーニング)も行っています。
SSTでは、人とのコミュニケーションの取り方や、病気・お薬との付き合い方、
ストレスとの向き合い方などを、ロールプレイを交えながら学んでいきます。
「人に話しかける」「気持ちを伝える」「お薬のことを主治医に相談する」といった、
日常の身近なシーンに焦点をあて、実際にそのシーンを模倣してみる参加型プログラムです。
5〜8人のグループワークを中心に、自分に合った解決方法を習得していくことで、
自信を少しずつ取り戻しながら、より過ごしやすい毎日へとつなげていきます。
また、SSTは退院後も継続して受けることが可能です。


1.困っていることや、身につけたい行動について考えます。
例)買い物に1人で行けず、人に頼むこともできずに我慢してしまう。


2.どのような場面で、何が難しいのかを整理します。
例)買いたいものはどこに行けば買えるかはわかっているが、
  お店の中で見つけられないと困ってしまう。
  1人で行くと店員さんに声をかけられず、何も買えずに帰ってきてしまう。


3.どのようになれたら、自分にとって嬉しいかを考え、目標となる行動を整理します。
例)最終的に、欲しいものが欲しい時に手に入れられることが目標。
そのために、どのような方法があるのかを一緒に整理します。


4.必要なスキルや、取り組めそうな方法を考えてみます
例)・友人に「一緒に行ってほしい」と頼んでみる
  ・誰かに代わりに買ってきてもらう
  ・店員さんに「わからないので教えてください」と声をかける
→この中で、自分にとってハードルの低いものから順々に行う計画を立てておきます。


5.「これなら練習することが良いかも」と思えるような、小さなステップから始めていきます。


※グループの取り組みに不安がある方は、1対1人で行う「個人SST」も行っています。
どうぞお気軽にご相談ください。

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